おのみもの
おのみもの
  1. ホーム
  2. こだわり

たのしやマスター・小田哲也のこだわりの話と雑記

たのしやのこだわり

たのしやの「料理」について ~料理とCOOKING~

料理を英語で調べるとCOOKとなっています。COOKという言葉の中には火を通す、という意味合いが含まれているようで、それからすると、和食の王道でもある「刺し身」は料理ではないことになるんですね。
「食材を切って皿に盛るだけじゃあ料理とは言えないよーベイビー」
と、欧米人が言ってるかどうかは別として。
うちでお出ししているお造りの盛り合わせ。塩で頂いたり、白身魚に梅醤油、生醤油、煮切り醤油、わさび醤油にしょうが醤油、おろしポン酢、青魚に緑ダレなど・・・。
一番合うであろうツケダレで提供しています。
切って出してるだけでは、美味しくはならないものです。
たのしやに是非ご来店下さい。そして、うちの「料理」を楽しんで下さい。

料理

たのしやの「器」について

うちで使っている器のほとんどは信楽焼きです。
窯元まで直接買い付けに行きます。すごく楽しいですよ。
日本の食器の文化はすばらしい。
日本人は器を手に持って食べる。これは世界的に見ると結構無作法らしく、こうゆう民族は意外に少ないんですよね。箸を使う場合、匙を使うよりこぼしやすい為、器を持つ、という文化になったようです。いずれにしても手に持つ事が器文化を発達させる上でかなり影響があったことは間違いないでしょうね。やはり直接触れるわけですから・・・。
最近自分でちょこちょこ作ってます。いつか店の器、全てを作りたいですね。
ソレっていつやねん!!って感じですけど・・・。

たのしやの「書」について ~書くと描く~

お店の書き物は全て僕が書いたものなんですが・・・

書くと描くにどんな違いを思い浮かべるでしょうか・・・?
「書く」が文字を書く、で、「描く」が絵を描く・・・かな??
そんな使いわけですよね・・。
書くのほうがなんとなく作業的で、描くのほうが感性が出てる雰囲気ですよね。

僕は文字を描こうと思っています。そう文字で感情を伝えようと思う。
お客さんがよくメニューなどを見て、
「これ誰が書いたの?」と聞いてこられますが僕はこう答えてるのです。
「あっっ ソレ僕が描きました」・・・とね。。

雑記 ~この場を借りてお話したいこと~

スタッフとの事

ずっと店をやってると何人もの子が入って来て、そして巣立っていきます。
今まで何人の子達と仕事してきたんやろーーって思いますね。
学生の子供達はいつか卒業して、そしてスーツやOLっぽい服着てうちに来るんですよ。
そして「いやーやっぱり社会ってキビシーですねーー」なんて言いながら、酒飲んでる。
「料理はマスターおまかせで」!って・・・。
なんかウキウキしますね。

そんな中、いつか独立して、店を持つ教え子がいて・・。
僕は仕事終わりにその店のカウンターに座るんですよ。
「今日一番旨いやつ出して」っていってやりますよ。
そんなこと考えてたら
なんかドキドキしますよね。

staff

片想い

僕は今ピアノを弾いている。
ずっと憧れてはいたけれど、そんな気持ちはすっかり忘れていた。

いつものゴルフ練習場。お気に入りの打席に行くと、珍しく先客がいた。裸足にダルダルのTシャツ、ズボンには穴があいている。なんだか変なおっさん・・・・・。そう思いつつ2つ離れた打席につく。7番アイアンを振る。調子は悪くない。だがスライス気味だ。またいつものクセか・・・。しっかり構え、そして打つ。
どこからか突然ピアノの音色が聞こえてきた。後ろを振り返るとそこには古ぼけたピアノ・・・そしておっさん・・・。なぜピアノがある?しかも・・おっさんが弾いてるのか?!うそだ?弾けるわけがない・・。なぜならおっさんはすごく汚かった。汚い人は弾けない、それがピアノだ。きっと二人羽折だ・・。いやもっと不可能か・・。「おっさんとピアノ」・・・。
なぜ??

僕の衝撃をよそに「明日に架ける橋」は佳境を迎える。そして「ヘイジュード」「ユアソング」。
そのアンバランスさから生まれるゆったりとした音色に僕は完全におちてしまっていた。

そう 僕はおっさんに「恋」をしてしまったのだ。

「ピアノ弾きたいんか?」おっさんが僕に言う。
「え? あっはい。」
「レットイットビーのエンディング教えたるわ、かっこえーぞ。」

どれくらいの時間弾いていただろう・・・
本来の目的を忘れてしまった僕はひとりピアノを占拠していた。
「なかなか早いわ自分。練習してみぃ、わし週末たまに来てるから」と言い残し、おっさんはきびすを返す。。

「あっ」 帰るおっさんの後を追いかけた。間に合わない。
走り去った車を見つめていた。ピカピカのボルボ。
「プァーーン」・・・ じゃあなの合図。

撒き散らした大量の排気ガスに包まれ、僕の体に入り込む。
高濃度な汗が吹き出て、その悪の根源を再び体外へ押し出した。

ドキドキしていた・・・。そして不思議な気持ち・・・。それはまるで片想いのようだった・・・。

その後、僕の家にピアノが届くまでそんなに時間はかからなかった。

あの日から二度めの夏が過ぎた
まだおっさんとは会えていない。

「いつかきっと会おうぜ、今度は俺の番や」

あの日去り際に鳴ったクラクションが今もまだ綺麗な和音となって響いている。

そしてそんな僕も・・・ 今は・・・・ 「おっさんとピアノ」

片想い

あとがき

この話は2年前に僕がピアノを弾くきっかけになった出来事で、もちろんノンフィクションです。いつかまた会える日まで、あのおっさんを驚かせる日まで、今でも毎日練習しています。神戸市北区の二軒茶屋ゴルフ練習場でこのようなおっさんを見かけたら、是非知らせて下さい。

あとがき